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統計的にみた地磁気嵐の諸特性
永井正男
要旨
1924〜81年の柿岡および1958〜81年の女満別・鹿屋における地磁気嵐の資料を使い,地磁気嵐の諸特性を統計的に調査した.さらにこれらの結果を吟味するために,1868〜1981年のIAGAのSSCの資料を使って比較検討した. 特筆すべき結果は次の通りである. 1) 柿岡におけるSSCの発生頻度の日変化は,5〜7時の早朝に極小を示し,9時に急増する.そして18時までの昼間で多く,夜間から朝方にかけて少ない.これをIAGAの資料による,同期間の日変化と比較すると,両者ともほぼ似た変化を示す. 2) 柿岡におけるSCの振幅ΔH(nT)の日変化は,夜間が大きく,午前8〜10時に極小となる.また女満別では,極大は柿岡・鹿屋より大きく,極小は柿岡・鹿屋より小さい.すなわち,北へ行くほど日変化の振幅が大きいことから,高緯度におけるSCの二つの電流渦によるDs(SC)の影響が考えられる.