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平成30年度調査研究のトピックス(2)

地磁気絶対観測の自動計測試作器の改良に向けた調査

研究代表者:平原 秀行

地磁気観測は自動観測による連続観測と、それを較正するための間欠的な絶対観測から成り立っており、絶対観測は観測開始から現在に至るまで手動で行っています。絶対観測を自動で行なうことができれば、観測の頻度をあげることで連続観測値の精度向上などが期待できます。
 地磁気の向きは、水平方向に真北とのなす角を偏角、水平面とのなす角を伏角と呼んでおり、絶対観測は地磁気の向き、偏角と伏角を観測しています。
 この絶対観測の自動計測の可能性を調査するため、ベルギー王立気象研究所が開発を進めている自動絶対観測装置AutoDIFを地磁気観測所(柿岡)に設置して観測を長期間行い、偏角と伏角の測定精度と安定性の調査を行いました。AutoDIFはFT型磁気儀(1成分フラックスゲート磁力計センサーを搭載した地磁気の向きを測定する器械)の手動操作による観測手順を基本に、自動で計測するものです。自然の磁場を歪めないように非磁性の部品で構成されています。
 柿岡の地磁気確定値とAutoDIFの観測結果を比較すると、偏角、伏角ともに1日程度の短期間では約0.1分の不確定な変動が、数か月程度の長期間では約0.3分の不安定な変動(図)がみられることがわかりました。また、温度環境による動作不安定などもみられ、長期安定性を求められる地磁気観測所で運用するためのクリアすべき課題も明らかになりました。


図

図.AutoDIFの観測値と柿岡確定値との比較(伏角成分)
    赤印:AutoDIF、青印:FT型磁気儀(参考)
   FT型磁気儀はAutoDIFと同じ室内で得られた観測値




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