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国際協力

【地磁気変動の監視】

  柿岡は世界の代表的な観測所の一つとして地球規模の地磁気変動の監視において国内外における重要な役割を果たしています。

(1) 地磁気観測所の観測成果は、世界資料センター(WDC)をとおして広く世界中の関係機関に提供されています。また、1990年代からは関係機関の間で国際的データ交換体制(インターマグネット)が構築され、地磁気観測所のデータもインターネットを利用して準リアルタイムで公表、活用されています。このインターマグネット計画 ※1) に、地磁気観測所の3観測所(柿岡、女満別、鹿屋)が日本を代表する観測点として参加しています。

(2) 国際標準地球磁場モデル ※2) の作成に必要な観測点を配置し、柿岡、女満別及び鹿屋の3観測点を継続し、長期間の高精度観測を実施しています。

(3) 宇宙天気予報をはじめ、磁気嵐の監視・予知等のために地磁気観測所のデータは活用されています。また、柿岡は地磁気擾乱の度合いを示すDst指数(世界で4ヶ所)、女満別は北半球地磁気活動度指数Kn(同12ヶ所)、鹿屋は急始磁気嵐の判定指数(同10ヶ所)のための各々指定観測所として、国際監視網の中で主要な役割を担っています。

※1)
 インターマグネット計画は国際地球電磁気学・超高層物理学会(IAGA)のバックアップの下で、世界の地磁気観測関係者によって推進されています。地球規模の地磁気変化を高精度に把握することを目的として、標準的な地磁気観測の規格を定め、それに適合した観測所のデータを準リアルタイムで流通させています。また、年毎に確定データをDVD-ROMとして公表しています。

※2)
 地球規模の地磁気の状態の監視には、長期にわたる安定した精密観測が不可欠であると同時に、地球規模での観測網を構築する必要があります。そのため、世界中の地磁気観測所の精密観測データと人工衛星による観測データを使用して、5年に一度、地磁気の平均的な分布と時間変化を表す国際標準地球磁場(IGRF)モデルが作成されていて、任意の時間と場所での地磁気を知るための標準的な手段として幅広く利用されています。

2005年の標準磁場モデル
2005年の標準磁場モデル(地磁気の強さ、単位:nT)

【国際協力事業への貢献】

 地球環境の解明と地球物理学の発展を目指して、これまで様々な国際協力事業が繰り広げられてきました。地磁気観測所はこれらの事業に積極的に参加し重要な貢献をしています。地磁気観測所が参加した主な国際協力事業は下記のとおりです。

南極での地磁気観測
南極での地磁気観測

【観測に関する技術協力】

   諸外国での地磁気観測に対する技術協力にも努めてきました。2004年には柿岡でIAGA(国際地球電磁気学・超高層物理学協会)の国際ワークショップが開催されました。

キリバス共和国での観測
キリバス共和国での観測

磁力計の国際比較(IAGAワークショップ2004)
磁力計の国際比較
(IAGAワークショップ2004)

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